南会津 下岳(1510m)、七ヶ岳 (1636m) 2010年11月22日
所要時間 6:45 古内登山口ーー7:53 下岳ーー9:00 七ヶ岳ーー10:03 下岳 10:07ーー10:43 古内登山口
概要
古内登山口から往復。登山口は林道途中にあり、南側から林道に入ったが途中に七ヶ岳の案内標識は皆無。ただし古内登山口には標識がある。登山口から下岳までは刈払いが不十分で笹のはみ出しが多く、露等で濡れているときはゴア必携。下岳より先は道がよくなるし展望も開けるが、ダラダラした長い稜線が続く。
七ヶ岳は南会津南東部ではメジャーな山だが未だ登ったことがない。10年以上前の晩秋、一度登ろうとしたことがあったが冬型で会津田島では雨が降っており、栃木まで南下して別の山に登った経緯がある。登山道があるのでいつでも登れるし、登山道がないピークに登ることを考えると残雪期にまとめて登るのもいい案だが、とりあえずは無雪期に登って地形をこの目で確認するのもいいだろう。本当はこの日は御池の大杉岳に登る予定だったが、桧枝岐の七入の先で積雪通行止めの車止めがあって入れず、地図が無くてもどこか登れる山を考えたら思い浮かんだのだった。
地図が無いので登山口がどこにあるかも分からないが、有名どころの山はロードマップに登山道が出ているのでその破線がある場所を目指す。七ヶ岳には複数のルートがあるようだが、下岳というおまけの山が稼げる東側のルートがお得と判断。林道の途中に登山口があるようだが、問題はその林道にゲートがあるかどうか、路面状況が普通車で通行可能かどうかだ。こればかりは行ってみないとわからない。高杖スキー場からが安全性が高そうだがロードマップでは破線は無く、ゲレンデが終わってから藪漕ぎでは困るので案から除外した。
古内登山口付近の駐車場 | 林道から見た下岳への稜線 |
登山口のある林道に至る林道は何ヶ所かあるが、どこからなら入れるのか不明なのでまずは高杖スキー場への道の途中から分岐する道に入ってみた。何かしら表示があると思ったが分岐には特に表示は無く、読図で読み取るしかない。舗装された林道を進んでいくとロードマップから読める地形と同じようなので間違っていないと判断、ずんずん入って行き中山峠らしき峠に出たがここも標識も何も無い。地図では破線があるのだがどうみても踏跡や登山口の標識は見当たらない(帰ってから調べたら廃道らしい)。やがて会津田島側から上がってくる林道と合流、というか直進すると会津田島へ下ってしまうところに左に分岐と標識があり林道七ヶ岳線と表示されていた。名前からしてこの林道で間違いなさそうだ。ロードマップではこの合流手前で破線が上がっていたが、現実には登山口は見当たらなかった。もう一つ田島側から上がってくる林道と合わさるとその先はダートに変わったが普通車でも走行に支障は無い程度だった。緩やかなアップダウンがあり、東に大きく突き出した尾根を巻くように上がっていくと尾根先端の手前で登山口の案内標識が出現、よかったぁ、ここは廃道ではなくて。尾根の先端に広い駐車スペースがあったのでそこに車を置いた。
古内登山口 | 刈り払いがいいのは最初だけ |
僅かに下って登山口に戻り、尾根に取り付く。道の程度は最初は良好だがすぐに微妙に笹が被さるようになり、昨日の荒海山と同等だった。今日は風が吹いていたので笹は乾いていると思ったが、登山道は尾根上を避けて微妙に風が当たらないところが多く、今朝は気温が高めで霜ではなく露で笹が盛大に濡れていた。ゴアのズボンを履いたほうがいいかと思いつつも汗をかいて濡れるのも変わらないだろうとそのまま登っていった。尾根周囲は笹よりも根曲がり潅木が多く、登山道が無いと無雪期は苦労しそうだ。傾斜もけっこうきつい。
黒森沢コースと合流 | 合流した先もこんな笹が出ている |
肩の部分で傾斜が緩むと黒森沢コースが合流、こちらと同等の道の濃さに思えたので利用者は分散しているのだろう。合流した先は道がよくなるかと思ったら変わらないままで濡れた笹が微妙にはみ出す道が続いた。登山道は風が当たる稜線直上ではなく少し西側に寄った場所に付けられているので笹に露が付いていた。たまに稜線に出ると冷たい風に吹かれて寒いが笹が乾いている方が恩恵が大きい。
高度が上がると雪が | ここで上下のゴアを着た |
どうにか濡れた笹に我慢して登ってきたが、途中で身を没する高さの笹が被さった区間が登場、これに突っ込むと全身びしょ濡れになってしまうのでここで上下のゴアを着用した。ダラダラとした尾根が続いており、樹林であまり展望がよくないので面白みが無い。天候は下り坂で視界が限られている影響もあるだろう。
なだらかな尾根が続く | 下岳山頂 |
文字が消えた下岳山頂標識 | 下岳三角点 |
下岳付近から見た飯豊(帰りに撮影) |
少しまとまった登りが終わると標識が立つ下岳山頂到着。石に埋め込まれた三角点が立っていた。地形図が無いので七ヶ岳の位置が分からないが、ここから前方にいくつかピークがありその一番奥が七ヶ岳かと思っていた(実際は1558m峰)。その先はガスって見えないし、一番奥のピークにもガスがかかり始めていた。そうそう、GPSには下岳の位置は入力したが、まさか七ヶ岳に山頂標識が無いなんてあり得ないだろうと七ヶ岳の緯度経度は入れていなかったのだった。
下岳を出発 | ガスに突入 |
下岳から先はよく刈り払われて体に触れる笹が格段に減って歩きやすくなったが、ゴアを着ているので恩恵が無い。下岳付近が森林限界のようでこの先の尾根は木が全く無いわけではないがほとんどが笹原になって見通しがいい。しかし周囲はガスり始めており、大展望を楽しめなかった。傾斜は緩く多少のアップダウンはあるがべらぼうに大きなアップダウンは無い。
1550m峰 | 1460m鞍部付近 |
下岳から見えていた一番奥のピークに到着し七ヶ岳の山頂標識を期待したが何も無い。まだ先かと道を進み1550m峰に到着したがここでも山頂標識無し。その向こうはガスっていてここより高いピークがあるのか皆目見当が付かない。でもやっぱり七ヶ岳山頂に標識が無いとは考えられず、まだ山頂まで至っていないと考えるのが妥当だろうと進み始めると急激に高度を落とし始めた。そしていやらしいことに下ってきた方向を指して「七ヶ岳登山コース」との表示が。矢印にどれだけ意味があるのか分からないが、地図も持たず視界が無い中を歩いているとこれは大いに不安を覚える。
1460m鞍部から登る | 濃いガスが続く |
草付きの鞍部を通過して登りにかかるがガスっているので相変わらず前方の様子が見えない。傾斜が緩んで山頂のようになった場所に出て山頂標識を期待したがここも何も無し。ガスの向こうにまだ尾根が続いているのが見えたのでなおも進むとまだ登っている。たぶんさっきのピークよりは既に高度が上がっているはずで、これならこの先に山頂があると期待していいかもしれない。この稜線上は肩というか微小ピークというか山頂と誤認させるような箇所がいくつもあり、久しぶりに何度もガックリときた。地図を見て先の地形が分かっていればこんな気分を味わう必要は無く、やっぱ地図は必要だ。
ニセピークをいくつも越える | 七ヶ岳山頂。ガスで展望無し |
少し湿った登山道を通過しなおも登ると再び平坦地に出たが、今度は大きな山頂標識が立っていた。やった! 今度こそ間違いなく七ヶ岳山頂だった。でかい1等三角点が鎮座した小広い場所だった。高い木が無いが周囲は高さ1,2mの低木と笹に覆われ、山頂一帯がなだらかな地形なので展望はあまり良く無さそうだが南側は木が無い開けた場所があり、ここからは展望が楽しめそうだった。でも今日は深いガスの中で何も見えなかった。
帰りの下岳から見た七ヶ岳方向 | 小雨の登山口に到着 |
休憩してもしょうがない状況なので写真だけ撮影して下山を開始。帰りは様子が分かっているので安心だ。下岳で休憩し再び歩きだすといきなり小雨が落ちてきた。このまま本降りになるかと思ったらいったん止み、30分程度で今度はもう少し強い雨が降ってきたと思ったらまた止んだが天候は確実に悪化しているようだ。でも登りでは見えなかった1558m峰の先の稜線が見えたので雲は高い場所に移動しているようだった。
登山口に戻ると小雨が降り始めたが車を走らせる頃にはまた止んだ。本降りになったのは県境を越えた辺りであった。